類(たぐひ)なく愛(いと)ほしく、目もくれておぼえけれども…縁より下へ蹴落としたりければ…(西行物語絵巻)。
これは北面の武士佐藤左兵衛尉義清が役職も家族も捨てて出家を決意し、西行と名乗るとき「煩悩のきずなをきるとおもひて」駆け寄ってきた4歳の愛娘を思わず縁側から蹴落とす場面であります。
北面の武士という地位はそりゃあ人もうらやむもので「容姿・武術・学芸いずれにもすぐれた」超エリート。それをポイッと投げ出すのはよほどのことだ。だけど「たぐいなくいとおしい」4歳の娘を蹴っ飛ばしてまで人里離れて出家をする…この“思いつめたような“激しさ”は何なのか。
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