最後の“手続き”が終わった。辞任が正式に決まった。
「(オーナーに)『あと2、3年(やってほしい)』と(慰留された)。(辞意は)そんな優柔不断に変えることじゃないから。辞めることについては、そんなに長々と話していないよ」
濃いグレーのスーツ姿の岡田監督は午前中に大阪市内のホテルで坂井オーナー、南球団社長と会談、あらためて辞任の意向を伝えた。慰留されたが、意思は固かった。会談後、球団事務所に戻った南球団社長は「(辞任を)正式に受理した。(球団としては)“勇退”という言葉を強調したい」と辞意を了承したことを明かした。
何らかの役職で球団に残る可能性についても「それはない」と指揮官は否定、退団することになる。その前に、自らが阪神の監督として5年間、蓄積してきた思い、考えを託した。「いろいろな話をしたよ」。さしずめ、常勝軍団であるための『岡田の考え3カ条』。その第1は“守りの野球”の継承だった。
「(チームの)現状とか、ファームとかそんな話をな。一番、分かっているのは俺だし。来年、(チームが)いい方向にいかないといけないし」
まずは『守りの野球の維持』。「そう簡単には変わらん。ファームの選手はそういう方向性(守りの野球)でやっているし」。守り重視こそ王道。特性を生かしたチーム作りは、崩してほしくなかった。
次は速やかに新体制に移行できるように『コーチ陣の“通信簿”』。「1人ずつは言うてないけど、ある程度はな。(一、二軍コーチ陣の)入れ替えも考えていたし、それをいうた」。各コーチの評価を伝えた。
最後に『補強』−。「編成とかドラフトの話をした」。三浦(横浜)、清水直(ロッテ)といったFA先発投手を水面下で調査している。外国人はネルソン・クルーズ外野手(レンジャーズ)を筆頭に右の大砲に狙いを定めている。
最後の進言。いつまでも常勝軍団であってほしい。去りゆくオカダのタイガース愛の表れだった。(野下俊晴)