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【なにやっ10】オリックスVS阪神を願って

2008.10.13 12:32
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 「ん!? きょう、何か事件でもあったのか?」

 オリックス・中村勝広球団本部長(59)から、そう質問されたのが、今年1月だった。

 実は、その日、僕はある球界情報を取材しようと、午前7時すぎに、宝塚市にある自宅をたずねた。朝から雨が降り続き、ズボンやカバンはグショぬれ。誰かが不審者で兵庫県警に電話をしたらしく、パトカーが2台、やってきた。そして、住宅地の陰に連れていかれ、職務質問が始まった。

 「怪しいモンではありません」と、住所、職業などヒイヒイ答えている最中、僕の目はテンになった。遠くの方で、中村本部長が、まさに今、駅へ向かう路線バスに乗り込もうとしていたのだ。

 「アナタを待っていたんですよ!!」。心の中で思いきり叫んだが、届くはずがない。どうしようもないので、大阪市内の球団事務所に移動し、ことの一部始終を話した。

 「いやぁ、2階の窓から下をのぞいたら、何台も止まっていたからな。誰だ、通報したのは。バッファッファッファ!」

 大笑いされてから、約10カ月。CS第1ステージでチームは日本ハムに敗退した。来年から僕は担当が阪神にかわるため、あいさつに向かった。

 「忙しくなるけど、お前にとっては、よかったじゃないか。頑張れよ」

 そう言って、握手をしてくれた。

 「左利きじゃないのに、左手でコップを持つとは、失礼じゃないか」

 「右も左も分からぬまま、記事も書いてしまいまして…」

 「ん。いい言葉だな。しかし、うちの中継ぎは、吉野、菊地原、加藤…か。“YKK”だな」

 「ま、ファスナーみたいに締まりませんけど」

 「キミは黙ってなさい!」

 漫才のように掛け合った懇親会が、ついこの間のように感じる。ひとり担当として、わからないことばかりだった。でも、そのときに、コッソリとアドバイスをしてくれたりもした。チームは前年最下位から2位と巻き返しに成功した。日本シリーズで「関西ダービー」が来る日を、心から楽しみにしている。

阿部 祐亮(あべ・ゆうすけ)

阿部祐亮1983年(昭和58年)2月11日、大阪府生まれ。関大卒業後、外資系化学品メーカーを経て06年7月に入社。運動部アマ野球担当。小3から中3まで野球経験はあるが、非力で体質も強いとはいえず年1回は倒れる。苦手な動物はカラスで小2時に追いかけられたことでトラウマに。大阪生まれのくせに、プロ野球はロッテファン。


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