あと1歩、及ばなかった。通算3アンダーの首位に並んでいた後続組の李知姫が18番でバーディーパットを沈めた瞬間、3年ぶり2度目の大会Vが消えた。無念の惜敗。それでも藍の表情は晴れ晴れとしていた。
「残念! 残念だけど、すっきりした気持ちです。メジャーの重さを感じながら、最後まで集中してプレーできました。悔いの残るショットは1つもありません」
敗れはしたが、大ギャラリーを魅了した18ホールだった。9番(パー4)でグリーン前のラフからチップイン。12番(パー3)では1メートルにつけるスーパーショットを放つなど、着実にスコアを伸ばした。
2年ぶりに出場した国内最高峰の大会。一挙手一投足を追う9000人以上の観客が集中力を高めてくれた。主戦場としている米ツアーは、レベルこそ高いものの、観客は驚くほど少ない。
父でコーチの優さん(62)が言う。「久しぶりに華やかな舞台で戦い、ファイトすることを思い出したのでしょう。来年は日本の試合を増やすことも考える必要がありますね」。
最後まで優勝争いに絡んで5位になった8月の「全英女子オープン」と比較し、藍は「きょうの方が自分のプレーに徹することができた。メジャーでこれだけのプレーができて、いいステップになりました。(優勝まで)あと半歩くらいかな」と収穫を口にした。
06年の「ミヤギテレビ杯」以来2年ぶりのツアー優勝はならなかったが、手応えいっぱいの4日間だった。日本で取り戻した自信を胸に、悲願の米ツアー優勝へ再び走り始める。(片倉尚文)