SANKYOレディース最終日(12日、群馬県赤城CC=6453ヤード、パー72)遼クン、お先に! 2打差の3位で出た若林舞衣子(20)が6バーディー、2ボギーの68で回り、通算8アンダーでプロ初優勝を遂げた。20歳125日の初優勝は女子ツアー6番目の年少記録。男子プロの石川遼(17)=パナソニック=と同じヨネックスと用具契約を結ぶ「ニューヒロイン」が誕生した。
涙はなかった。笑みを絶やさずプレーし続けた若林が、逆転でツアー初優勝を遂げた。
「うれしい。やった!という気持ちしかわいてきません。『なにも言えねえ』って感じです」
首位の茂木を追撃した最終日はチップインバーディーで発進。5、6番を連続ボギーとしたが、焦りはなかった。9番で3メートルを沈め、折り返したインでは3つのバーディーを重ねた。
「これまでの経験で、最終日のバックナインが大事だと思っていました。(後半の)3バーディーは成長した証しだと思います」
苦い経験が下地にある。5月の「クリスタルガイザー」では、上がり2連続バーディーで追いつかれた古閑にプレーオフの末、敗れた。極めつけは前週、地元の新潟で開催された「日本女子オープン」。第2日を終えて首位と2打差の2位。ところが、第3日に「80」をたたくなど28位に終わった。
「今週のテーマはゴルフを楽しむこと。重い空気にならないように努めました。先週の教訓が生きたと思います」
脇目もふらずにゴルフひと筋。ラウンド後は日が傾いた練習グリーンで黙々とボールを転がす。今季ツアーは『皆勤中』で、自らに全37試合出場を課している。父の正喜さん(58)は言う。「カラオケとか遊びにいけば…と勧めるんですけど、まじめすぎるほどまじめなんです」。
自立心も旺盛だ。専属コーチに指導を受ける若手が多い中、若林は独自の調整を続ける。携帯電話の動画面に自身のスイングを録画してチェック。「画面を見れば、ここが違うと分かるようになってきたので、最近は苦労しません」。
13日は群馬県内で行われる女子ソフトボール「ルネサス高崎Vs太陽誘電」を観戦し、五輪金メダリストのプレーを目に焼き付ける。初々しいプロ2年生は「今季中にもう1勝したい」と新たな目標を掲げた。(片倉尚文)
若林舞衣子(わかばやし・まいこ)
★生まれ 1988(昭和63)年6月9日、新潟県加茂市生まれ、20歳。
★アマ戦績 11歳でゴルフを始め、中学3年で関東ジュニア、日本ジュニア優勝。開志学園高(新潟)2年時の05年に世界ジュニアで個人、団体の2冠達成。同年の「ヨネックスレディス」でローアマ(24位)獲得。06年はツアー10試合に出場してローアマ5回。同年の「日本女子オープン」では6位と健闘した。
★プロ戦績 07年のプロテスト合格後、同年のツアーに3試合出場。最終QT(予選会)28位で今季の出場権を獲得。今季は30試合に出場して現在賞金ランク21位(4072万7000円)。
★趣味 音楽鑑賞
★サイズ 1メートル65、62キロ、血液型A。
★家族 父・正喜さん(58)、母・久美子さん(59)、姉・美香さん(32)、香織さん(30)