白毛馬初の重賞ウイナー、ユキチャンが、札幌ダートコースで併せ馬で追われ、力強い脚さばきで先着した。この日の公開調教には昨年の倍以上の284人が来場。北海道でもユキチャン・パワーは凄まじい。同世代の桜花賞馬レジネッタ、2冠2着のエフティマイアも札幌で切れのある動き。古馬筆頭格のヤマニンメルベイユは函館Wコースでソフトに仕上げられた。
ラスト1ハロンに差しかかった瞬間、無数のシャッター音が札幌競馬場のスタンドにこだました。クイーンSの公開調教としては最多となる284人のファンを動員したユキチャン。ダートコースでパワフルな動きを披露して、詰めかけたファンを唸らせた。
午前6時過ぎに、角馬場で十分に体をほぐしてからホーリーミスト(牝5、500万下)とダートへ入り、2コーナー過ぎから、僚馬を1馬身ほど追いかける流れ。残り800メートル付近から徐々に加速し、直線ですっと内に併せて鞍上の藤田騎手からGOサインが出ると、敏感に反応して半馬身の先着。6ハロン83秒7、3ハロン38秒5−12秒1という時計以上に気合のこもった走りが、充実ぶりを物語っている。
「(白毛が)まぶしいな。お兄ちゃん(ホワイトベッセル)にも乗ったことがあるけど、フットワークが大きくてダイナミックな走りをする。乗りやすい馬だし、けいこの反応も良かった」。初コンビとなる藤田(主戦の武豊騎手はフランス遠征中)の感触は上々だ。
さらにビッグサプライズ。金子真人オーナーが駆け付けて、愛馬の動きを見守った。「競馬(レース)以外で(調教の)動きを見に来たのは初めて。今日が公開調教だとは知らなかったよ。ディープ(インパクト)の時も凄かったが、ユキチャンを見にこれだけたくさんの人が来てくれるのは凄いね。レース当日ももちろん見に来ますよ」と終始笑顔を見せていた。
今や競馬サークルを超えて社会現象にまで発展しつつある“ユキチャン・フィーバー”。6月の交流GII関東オークスで白毛馬史上初の重賞制覇を飾り、7月のジャパンダートダービーはじんましんで競走除外となってしまったものの、早めの札幌入りで態勢を万全に整えることができた。
「芝でも実際に(ミモザ賞で)勝っているし、前々で競馬してどこまで粘れるかだね」という藤田とともに、ユキチャンが真夏の札幌を純白に染める。(片岡良典)