【シアトル28日(日本時間29日)】マリナーズのイチロー外野手(34)は、アスレチックス戦に「1番・右翼」で先発し、2安打を放ったが、張本勲氏(68=現解説者)の持つ日本プロ野球最多記録の3085安打には2本届かなかった。それでも打率.310で8年連続3割をマーク。213安打はレッドソックスのジャスティン・ペドロイア内野手(25)と並び、3年連続5度目のリーグ最多安打となった。
「張本超え」という大きな壁を、最後に乗り越えることはできなかった。213安打で、3085安打に2本届かなかった。今季を終えたイチローは「疲れた」とため息をついた。
「僕がずっと記録を追っていたのに、何かに追われているイメージがずっと付きまとっていた」
今季は節目となる記録との戦いだった。日米通算3000安打、8年連続200安打。そして、最終戦に通算安打の日本プロ野球記録更新をかけていた。「もちろん狙う」と宣言していただけに徒労感が漂っていた。
1打席目に右中間二塁打を放ったが、2打席目の遊ゴロで「(張本さんを)超すのはしんどいな」。3打席目の投ゴロ失策で「並ぶのもしんどいな」と感じた。それでも第4打席で遊撃内野安打。リーグの最多安打部門でトップに並んだ。 記録には敏感な男だ。レッドソックスのペドロイアが2安打したことを「知らなかった」という。カメラの動きを見て、「何かが起きたと感じた」。持ち前の洞察力で記録への“におい”をかぎ取っていた。
これでレギュラーシーズンが終了。「一番になりたかった。僕はナンバーワンになりたい人。この競争の世界に生きている者として、“オンリーワンがいい”なんて言っている甘いやつが大嫌いなんで」。通算3000安打と8年連続200安打を達成しても、まだまだ上を向く。
「停滞やね。感覚的には下がっちゃいないけど、進んでもいない」
最後にポツリこぼした。さまざまな達成感と、やり残したもどかしさ。最下位というチーム状態の中で、記録との戦いに終始したメジャー8年目が終わった。