常翔啓光学園が出場できなかった過去2年間を乗り越え、王座を奪回した。杉本監督は「苦しい1年になるはずだったが、選手の明るさに助けられた。いい1年だった」と感慨深そうに話した。
最大の武器は個人の能力を生かした圧倒的な攻撃力。スピード豊かなバックス陣が御所工・御所実の堅守を崩した。その象徴は4トライのうち、三つを奪った高校日本代表WTBの国定だ。
祖父は東京・目黒(現目黒学院)を率いて花園で5度の優勝を誇る梅木恒明さんで、父は元日本代表でWTBとして活躍した精豪さんというラグビー一家。才能は受け継がれ、華麗なステップで防御を切り裂いた。
圧巻は前半24分。「落ちるのは分かっていた」と狙い澄まして相手のパスミスを拾い上げ、そのまま約70メートルを走り切った。「抜けたらとにかくゴールラインを目指して走ってるだけ」と国定。杉本監督は「マークされているにもかかわらず、あれだけ取ったのはすごい」と褒めた。
そのエースも昨年、練習態度をとがめられてBチームに落とされた時期があった。以来、スタンドプレーは控えるようになった。今大会も準決勝まではチーム戦術で周囲を立てていた。だが、この日の監督からの指示は「好きなようにせい」。「我慢してきた分を前面に出した」という通り、縦横無尽にグラウンドを駆けてチームを頂点へ導いた。